良かれと思って振り回した「魔法の杖」。AI時代のシニア世代にも伝えたい、新しいマナー。

今回の記事はちょっと真面目に語ります。 

AIとリアルの共存


先日、次女の成人式前撮りをしてきました。
(その日の記事はこちら

 

ハレの日の重みと、母としての20年

リアルな話を少し。スタジオ撮影したものをアルバム・データで購入すると25万円超。振袖の準備や当日の着付けなどを合わせれば、35万円はかかります。わが家は私の振袖を着るので小物代程度で済みましたが、レンタルならもっとかかるでしょう。

そして、私のことも少し。私の母は結婚前から歩行困難になり、私はずっと通い介護をしていました。父は昔ながらの人で家事は一切できず、私は生後2週間の子を連れて毎日実家へ通いました。里帰り出産で親に甘えられる人を羨ましく思ったこともあります。

母が他界し、すぐに父の介護が始まり、3年前に父を見送るまで。介護・育児・2家庭分の家事に追われ、外で働くことは叶いませんでした。そんな中、在宅のデータ入力の内職をし、娘たちの受験、成人式、免許費用だけでも私が作ろうと、隙間時間に一生懸命に貯めたお金。

1年前から予約し、家族で当日を楽しみにしていました。親バカながら、成長した娘の表情や空気に感動したんです。今回は下の子ですから「これで見納め」という感慨もあり、写真も記憶も、一生の宝物ができました。

 

数分で届いた「加工された」画像

喜びのお裾分けで姉兄に写真を送ったところ、数分後に「加工されたイラスト風の画像」が返ってきたんです。姉は新しいもの好きで悪気は1ミリもなく、喜ばせようとしてくれたのだと思います。

しかし、娘は曇り顔。私だって言葉になりませんでした。
本人はこの日のために食事や肌に気を遣い、髪を伸ばしてきました。プロが命を吹き込んだヘアメイクにカメラマン。そこに、先ほど書いた母としての私の20年も乗っかっています。それをAI加工で上書きされる寂しさったらありません。

娘には、画像には触れず、祝福の言葉にだけ返事をしなさいと伝えました。

 

「魔法の杖」を手にしたシニア世代とAIモラル

私から実の妹として、AIモラルについてやんわりと指摘しました。返ってきた返事には謝罪の言葉はなく、『これはカメラの機能についているもので、AIではないんだけどね。きれいなイラストだから私は好きなの』と。それがAIだという認識もなく「自分が好きだからいいでしょ」という言葉。これ以上は何も言えませんでした。今後、わが家にこういうことはしないでくれるだろう、と思えたのでもう十分です。

私と歳の離れた姉はいわゆるシニア世代。今の若い子たちは情報リテラシーを学びますが、シニア世代にはこうした「新しいマナー」を知る機会が少なかったのかもしれません。

シニア世代がある日突然、魔法の杖を手に入れて、面白がってあちこち杖を振り回してしまう。
(娘がハリーポッター好きなので、ついこんな表現に。笑)

今はそんな状況ではないかしら。現代のリアルな課題な気がします。
シニア世代が「今の若い者は…」というのであれば、同様に「今のシニア世代は…」と問われる自覚も必要なのかもしれません。

 

「そのまま」という一番の芸術

何でも作れる時代だからこそ、不完全でも「そのままの姿」が一番価値がある。私はそう思います。

AIが悪いなんて言いません。私もブログのHTMLを教わったり、ペットの写真を加工して笑うのは大好きです。写真を忘れた時にイラストを補ってもらうこともあります。ビジネスや学習での活躍も素晴らしいと思っています。

でも、人生の節目に魂を込めて撮った写真は、魔法をかけない「そのまま」が一番の芸術なんだと、改めて気づかされました。

 

これからも、デジタルと上手に付き合いながら、大切な思い出を守っていきたいですね。

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